トップ > 最新情報 > 伊賀健一栄誉教授が,2024 Opticaアイヴス・クイン賞を受賞(2024年2月21日)
最新情報
日本初:世界最大の光学学会で最高賞を受賞
受賞者 | 伊賀健一栄誉教授 |
授与団体 | オプティカ(Optica) |
研究業績 | 半導体レーザーと光エレクトロニクスの分野における先駆的な貢献と先見的なリーダーシップ,および後進の育成と教育への貢献 |
賞 | Frederic Ives Medal / Jarus W. Quinn Prize(アイヴス・クイン賞) |
受賞日 | 2024年2月21日(水) |
この度,伊賀健一・栄誉教授に,光学に関する世界最大の学会であるOptica(旧OSA:アメリカ光学会)註1 から,2024年のアイヴス・クイン賞(Frederic Ives Medal / Jarus W. Quinn Prize:ここではIQ賞と略す)註2 の授与が決まった。同教授の面発光レーザーの発明と実現に至る先導的研究に与えられるもの。授賞式は2024年9月に米国コロラド州デンヴァーにて開催される同学会の総会にて行われる。
現在,同学会は世界の93%の国から,43万人超の会員を持ち,広く光に関する科学と産業をカバーしている。IQ賞は,1928年に創設されたOptica唯一で最高の賞であり,これまで光学やレーザーに関して貢献した科学技術者が受賞している。例えば,レーザーを提案したタウンズとショウロウ,量子光学のヘンシュやアスペクト,半導体レーザーを初めて作ったホロニヤック, Jr. などがいる。日本はもとよりアジアからの受賞例はない。
伊賀栄誉教授は2021年のIEEE エジソンメダルに続いての受賞であり,世界で42万人以上の会員をもつ大きな学会の最高位の賞を受賞したことになる。
https://www.optica.org/about/newsroom/news_releases/2024/february/optica_awards_kenichi_iga_the_2024_frederic_ives_medal_jarus_w_quinn_prize/
註1 Optica(オプチカ)https://www.optica.org
光学に関する学会Opticaは,2021年9月にOSA(The Optical Society of America)が名称を変更し,再スタートを切ったもの。現在,世界の国々の93%,43万2千人以上の会員を擁する一大コミュニティとなっている。同学会は1916年に光学や光の科学における学問の生成,普及,応用を促進することを目的として米国で設立された。当時は,レンズ設計や写真撮影などの技術に取り組んでいた米国の小規模の会員や企業を支援することに主眼が置かれていた。
今では,光学・フォトニクス産業は飛躍的に成長し,メタマテリアル,超高速レーザー科学,量子技術,5Gネ ットワークなど,広範にわたり発展している。今回の改名は,学会の未来を包含するものへと進化に対応したもの。そして,欧米以外から初めてOpticaの会長に河田聡氏(ナノフォトン代表取締役/大阪大学名誉教授が選出されるなど,役員にも国際化が進んでいる。
註2 アイヴス・クイン賞(Frederic Ives Medal / Jarus W. Quinn Prize)
フレデリック・アイブス・メダルは光学分野における総合的な功績を表彰するものであり、1928年に創設されたOptica 最高の賞である。フレデリック・アイブスは3原色カラー写真やプリンティングの発明者として知られる。クイン賞は、オプティカの初代事務局長ジャラス・W・クインを記念して 1994 年に追加された。
小山二三夫教授(フォトニクス集積システム研究コア)
http://vcsel-www.pi.titech.ac.jp/