トップ > 最新情報 > 小山二三夫名誉教授が、IEEEニックホロニャックメダルを受賞(2023年11月)
最新情報
受賞者 | 小山二三夫名誉教授(フォトニクス集積システム研究コア) |
受賞先 | 米国電気電子学会(IEEE) |
賞 | IEEEニックホロニャックメダル |
受賞論文 | 光通信およびセンシングのための垂直共振器面発光レーザー (VCSEL) および VCSELフォトニクスへの先駆的な貢献 |
受賞日 | 2023年11月 |
電気工学と電子工学では世界最大で最も権威がある学会IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers、アイ・トリプル・イー、電気電子学会)は、科学技術創成研究院面発光レーザフォトニクス研究ユニットの小山二三夫特任教授/名誉教授にIEEEの最高位メダルの一つである2024年のNick Holonyak, Jr. Medal for Semiconductor Optoelectronic Technologies(ニックホロニャックメダル)を授与すると発表しました。
https://corporate-awards.ieee.org/recipients/current-recipients/#1701111060092-2b9778b5-4f7c
IEEEはアメリカに本部を置き、電気・電子・情報関連分野における最も権威がある世界最大の技術系学術団体です。160か国以上の約40万人が会員で、その半数以上がIEEE本部のあるアメリカ国外におり、日本国内のIEEE会員数は約13,000人です。IEEEには20個の最高位メダルがあり、毎年優れた業績を挙げた研究者を表彰しています。 2022年にIEEE は実用的な半導体レーザーと発光ダイオード (LED) の発明者であるイリノイ大学 Nick Holonyak, Jr.名誉教授(故人)にちなんで名付けられた新しいメダルを創設しました。IEEE Nick Holonyak, Jr.メダルは、高効率半導体デバイスやエレクトロニクスを含む半導体光デバイスおよびシステムに顕著な貢献をした個人または研究チームを表彰します。 レーザーや発光ダイオード、光検出器、フォトニック集積回路などの光デバイスは、照明、ライダー、自動運転車、高速「6G」シリコン関連のフォトニクス、光ファイバー通信、 データセンターなどで基幹技術として位置づけられております。
今回、このメダルの最初の受賞者として、Connie Chang-Hasnain UC Berkeley名誉教授(CEO, Berxel Photonics)とともに小山特任教授が選考されました(共同受賞)。
https://corporate-awards.ieee.org/recipient/fumio-koyama/
IEEE Nick Holonyak, Jr. Medal for Semiconductor Optoelectronic Technologies Medalの写真 (IEEE Award Group提供) |
小山二三夫特任教授/名誉教授 |
IEEEによると、小山二三夫名誉教授の業績である「光通信およびセンシングのための垂直共振器面発光レーザー (VCSEL) および VCSELフォトニクスへの先駆的な貢献」に対して贈られます。授賞式は、2024年5月3日、他のメダルとともに、米国ボストンで開催される2024 IEEE Vision, Innovation, and Challenges SummitのIEEE表彰式で行われる予定です。 東工大の研究者がIEEEメダルを受賞したのは小山二三夫名誉教授が4人目です。2003年に末松安晴栄誉教授・元学長がIEEE ジェームス・H・ミューリガン・ジュニア・エデュケーション・メダル(IEEE James H. Mulligan, Jr. Education Medal)を受賞し、2018年にIEEE メダル・イン・パワー・エンジニアリング(IEEE Medal in Power Engineering)を赤木泰文名誉教授が受賞、2021年に伊賀健一栄誉教授がエジソンメダル(IEEE Edison Medal)を受賞しています。
IEEEには学生の時から加盟しており、博士課程学生としてStudent Award受賞の機会を得て、現在はLife Fellowです。教授の時にはフォトニクスソサエティーの役員もしておりました。IEEEの最高位の賞であり、半導体光デバイス研究の巨人であるホロニャック教授の名前を冠したメダルをいただくことは、まことに光栄で、たいへん嬉しく思っております。面発光レーザは、本学の伊賀健一栄誉教授が1977年に発明した半導体レーザで、近年、インターネットや携帯端末の普及により、データセンター内の大規模光インターコネクト、携帯端末での3D光センサ、自動運転用の光レーダーなど、その応用分野は多岐にわたり、IoTの進展により、国内外でさらに研究開発が加速され、市場規模も数千億円にまで拡大しています。今回の受賞は、恩師の末松安晴先生と伊賀健一先生のご指導と、これまでともに研究を進めてきた同僚の研究者、大学院学生など、多くの方々の貢献によるもので、深く感謝しています。この受賞を励みに、東工大の強みと伝統を活かして、研究成果の社会実装に貢献していきたいと思っております。
小山二三夫研究室(フォトニクス研究コア・教授)
http://vcsel-www.pi.titech.ac.jp/