トップ > 最新情報 > 浅田雅洋教授(量子ナノエレクトロニクス研究コア)が,平成30年度科学技術分野の科学技術賞(研究部門)を受賞(2018年4月17日))
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受賞者 | 浅田雅洋教授(量子ナノエレクトロニクス研究コア) |
受賞先 | 文部科学省 |
賞 | 平成30年度科学技術分野 科学技術賞(研究部門) |
受賞業績 | 室温半導体テラヘルツ光源の先駆的研究 |
受賞一覧 | こちらへ |
詳しくは東工大ニュースをご覧ください。
電波と光の中間に,テラヘルツギャップと呼ばれる未開拓の周波数帯があります。この周波数帯では,透過イメージングによるセキュリティや食品検査,化学分析,高速無線通信などへの様々な応用が期待されています。これら様々な応用にはテラヘルツ波を発生する光源の開発が必要不可欠で,これまでいろいろな光源が研究されてきましたが,いずれも大型であったり,複数の装置を組み合わせるもの,あるいは低温でしか動作しないものなど,満足できる光源はありませんでした。
本研究では,半導体ナノ構造からなる共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いて,単体の電子デバイスで初めての周波数1THzを超える室温小型テラヘルツ光源の実現に成功しました。その後も,この光源に新たな構造を導入して周波数を更新し,電子デバイスの最高周波数として1.92 THzの室温発振を達成しました。
この成果がもとになって,RTDを用いたテラヘルツイメージングや高速無線通信などの超小型簡易システムの研究が国内外で始まっています。我々の研究室も,鈴木左文准教授(工学院電気電子系)と協力して,レーダーや無線通信への応用を進めています。本研究は、鈴木准教授と研究室の学生の協力や,多くの方々のご支援で行ってくることができました。関係いただいた方々に感謝申し上げるとともに,引き続き,この光源の高性能化や応用展開を推進していきます。